「紳士協定」(1947 米)

なんとなく古い映画が見たくなって、なんとなくタイトルが気になったので見てみた。アカデミー作品賞とった作品くらいざっと見ときたいなってのは前から思ってたし。

あまりネタバレしない程度にあらすじ。
主人公は売れっ子ライターのフィル。ある日「反ユダヤ主義」についての記事をオファーされる。当時は大っぴらではないとはいえユダヤ人が差別されている状況だったが、フィルは本質的な記事を書くために『自分はユダヤ人だ』と偽って生活を始める。平行して、記事をオファーした雑誌編集長の姪キャシーと恋に落ち、一緒に偏見の荒波に飲まれていく。

wikiで見てみると、監督エリア・カザンはこのあと赤狩りで司法取引するなど色々あったようだけれど、この作品には強いメッセージ性が感じられる。特にラスト。カザン監督自身ユダヤ人であり、「ユダヤ排斥を批判する映画」というタブーを撮ってのけた。

この映画は色々な差別について考えさせられる。ずっと静かな差別を受けてきた主人公の友人デイヴ(ユダヤ人)の言葉。知らず知らずユダヤ人へ偏見をもっていたキャシー。頑として「ユダヤ人差別」を嫌う主人公のフィル。どの言葉にも、考えさせられた。今の世の人が見ても価値ある作品だと感じた。

品がありながらも小気味よい登場人物の掛け合いがおもしろい。途中登場する科学者の言葉も印象に残る。

やっぱり映画はいいねえ。時間作って欠かさず見ていきたいものです。